TAKEO MABOROSHI TERMINAL

2016.11.24

MABOROSHI STAY 体験ステイに向けて ―写真家・山口雄太郎―

「武雄の過去と現在を繋ぐきっかけを写真で作りたい」

 

写真家 山口雄太郎

 


 

2016年11月に武雄温泉エリアにオープンするクリエイター・イン・レジデンス「TAKEO MABOROSHI STAY」。 地元住民と、歴史を受け継ぎながら新しい文化を生み出す場として、各地のクリエイターが滞在・活動できる施設として誕生します。

 

今回は、クリエイター・イン・レジデンス「TAKEO MABOROSHI STAY」のプレオープン企画で体験ステイをする写真家の山口雄太郎さんをご紹介します。

 


 

—山口さん、まずは自己紹介をお願いします

 

写真家の山口雄太郎です。長野県出身です。大学在学中に長期休暇を使って行った海外旅行がきっかけで本格的に写真をはじめ、卒業後にフリーランスとして写真家になりました。

 

仕事ではメディア用のインタビュー写真、ミュージシャンやアーティストのポートレート、ファッションのカタログ用の撮影、観光協会のWEBや印刷物用の撮影をしています。ドキュメンタリー写真の作家活動も行っています。

 

—お仕事以外の時もカメラを?

 

写真はもちろん。旅行が元々好きだったのですが、釣りやサイクリングも好きです。きっと、フィールドに居るのが好きなんだと思います。最近になって地元を流れる川を源流から下流まで撮影している中で、僕の写真の原点は少年時代の川遊びにあったことに気が付きました。

 

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—自然の中に立つと様々な時代の自分と向き合うことになりますよね

 

そうですね。あの頃は学校から帰ってくると毎日のように釣りに出かけて、なかなか魚が釣れなくて飽きてくると、綺麗な石を拾って集めていたんです。無数にある川原の石から気に入った石を拾い集める行為は、見慣れた日常の中から面白いと思った瞬間を切り取る写真撮影に似ている様な気も…。

 

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—突然ロマンチック降ってきましたけど。

 

そんな一面もあるんです(笑)

 


 

生まれ育った場所や旅先で出会った自然に情緒を感じ、内面世界を大事にする写真家の山口さん。大学在学中より写真撮影をはじめ、2010年にはナショナルジオグラフィック国際写真コンテストで優秀賞、2015年には上野彦馬賞で入選。2014年にインドで撮影された作品は清里フォトアートミュージアムに永久保存作品として収蔵されています。

 


 

◾あたり前の日常が魅力にあふれていることを、地元の人は知らない

 

—武雄のイメージは…

 

武雄に足を踏み入れるまでは、TSUTAYA図書館のイメージしかありませんでした(笑)。

 

ところが、現地に行ってみるとインパクトのある蓬莱山、御船山、ハッとするくらい鮮やかな楼門、大楠など、ユニークで歴史のある名所が多い。そして焼物、温泉、その周りに広がっているスナック街など、観光資源の多いところだなぁという印象を受けました。

 

しかし、実際に地元の人達と話をすると、外側から見て感じる武雄の良さに本人たちはまったく気がついておらず、どうやって活かしたらいいのかも分からずにいる感じを受けましたね。

 

—となると、山口さんの体験ステイでの活動次第ではまちの人々の顔つきがガラリと変わるかもしれませんね。

 

プレッシャーかけるのやめてください…!でも、写真の力で、地元に流れている歴史や見慣れた風景の美しさを再発見してもらえるような活動が出来たらいいですね!

 

◾1日のはじまりは温泉で

 

—普段の場所を離れて、武雄で暮らしながら活動することについてお聞かせください

 

普段は不規則な生活スタイルを送っています。朝7〜9時位の間に起床、撮影がある時は撮影現場に向かい、撮影のない日には写真の編集をしています。編集しなくてはいけない写真がない場合は、パーソナルプロジェクトのために撮らせていただいている被写体の方にお会いし、家に帰ってきて現像、暗室でプリント。完全にオフの時は、釣りやサイクリングに出かけたり、一日中映画を観たりしています。

 

これが武雄で暮らしながら、というのを想像すると。

 

起床して、まず温泉に入る。地物でつくった朝食を食べ、午前中は地元の人を訪れ、昔武雄市で撮られたモノクロフィルムを探し出す。午後は、レジデンスにある暗室に篭ってプリント作業。もしくは午前中から自転車で武雄を周り、工房を尋ねる。地の石を使って磁器を作ってもらえないか交渉。撮影。気分転換に釣り。

 

—結構、細かく計画されてますね。

 

武雄のクリエイター・イン・レジデンス滞在中はやりたいことが山ほど。

 

まず、作品のことでいえば、武雄にある焼物の工房に、地元近所の石を使って磁器を作ってもらい、僕はその磁器の材料を採取した場所、大地の写真を撮る。そして、大地の写真と作ってもらった磁器を並べて写真撮影を行いたいです。武雄の工房で使われる材料はほとんど土地のものを使っていないんですよ。今回の体験ステイで滞在する日程ではちょっとハードなプロジェクトなので、その次の滞在でぜひ叶えたいですね。

 

—それは面白い。思いの深い土地の土を使って創られる陶器は使う時の思いもまた違うでしょうね。

 

あとは、先ほど言った武雄で撮られた昔のフィルムや写真を探したいです。

 

地元の方、特に若い世代の方々に暗室作業を体験してもらいたいですね。暗室で、自分の手で、写真を現像する喜びと、武雄の現在と過去をつなぐ発見を体験、体感してもらいたい。現在と過去をつなぐという表現として、発見された昔のフィルムに映っている武雄の姿、もしくは人を、同じ場所、同じ人の現在を撮影するワークショップも開きたいです。

 

集大成として、最後に武雄の写真展を。

 

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—武雄の時間が写真という芸術活動でつながれる貴重な時間になりそうですね。

 

はい。置き去りになっていた武雄の良さを引っ張りだすきっかけを作ってきます。

 


 

武雄の過去と今をつなぐ活動に重きを置いて、武雄での滞在計画を立てている山口さん。滞在中の芸術活動以外では、武雄のローカルな声が聞こえるスナック・ぐれいすや開泉食堂で過ごす時間がお気に入りだそう。

 

写真家・山口雄太郎さんのクリエイター・イン・レジデンスの体験ステイ後、ご本人による体験記も後日アップ予定です。おたのしみに!

 


 

写真家 山口雄太郎さんの滞在スケジュール
滞在日程 : 2016年11月30日〜12月5日

 

最新情報
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山口 雄太郎
写真家

 

1987 長野県に生まれる
2011 神田外語大学外国語学部国際コミュニケーション学科卒業
2014 マグナム・フォト スティーブ・マッカリーワークショップ、東京都写真美術館フォトドキュメンタリー・ワークショップ参加

[写真展]
2015 ヤングポートフォリオ2014グループ展、清里フォトアートミュージアム
2015 「Pilgrims」、Laatikkomoギャラリー、ユヴァスキュラ、フィンランド
2015 上野彦馬賞受賞入選作品 グループ展、東京芸術劇場

[受賞]
2010 ナショナルジオグラフィック国際写真コンテスト風景部門優秀賞
2015 上野彦馬賞入選

[コレクション]
2014 清里フォトアートミュージアム

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ABOUT TAKEO MABOROSHI TERMINAL

 
TAKEO MABOROSHI TERMINALは佐賀県武雄市の歴史や伝統工芸の文化、自然豊かな景観の魅力を再発見しながら、未来の世代へと伝える人々を育む、創造的なまちづくりプロジェクトとして2016年に発足しました。

 

1300年もの歴史ある温泉街を有する武雄市街の北部のから、自然あふれる武雄温泉保養村の位置する南部を本プロジェクトのメインエリアとして、西九州の歴史・文化・自然が交差する環境が持つ様々な魅力を通して生まれていく武雄の瞬間を切り取って伝えます。