TAKEO MABOROSHI TERMINAL

2017.03.12

MABOROSHI STAY イベントレポート vol.3 劇作家 石神夏希さん

佐賀県武雄市のまちづくりプロジェクト「TAKEO MABOROSHI TERMINAL」のプログラムのひとつである「MABOROSHI STAY」は、地元の方々や地場産業の方々と交流しながら、自分のできることを生かしてまちを盛り上げたいクリエイターが滞在できるクリエイター・イン・レジデンスです。
 
今回は、2016年12月に滞在された劇作家の石神夏希さんのトークイベントを振り返ります。本イベントには地元の方々が多く参加し、食べ物などを持ち寄ったアットホームなスタイルで行われました。

 

 
横浜を拠点に、関東や四国、オーストラリアやフィリピンなど、国内外で活躍される劇作家の石神夏希さん。イベントでは、各地で開催した様々な演劇をご紹介くださいました。
 
石神さんの演劇は、舞台は劇場ではなくまちの中、出演者も地元の住民の方々、という独特のスタイルです。それは、演劇を行う前には地域に滞在してヒアリングを行い、会話から見えてくる特徴を捉え、脚光を当てたい人に実際の登場人物として出演してもらうというもの。
 
石神さんの創作するまちを舞台とした劇は、それを観劇することでそのまちのディープな日常と本来の魅力を体験することができ、石神さんもそのまちの魅力を広めるべく活動されています。
 
今回ご紹介くださった劇の中には、温泉街やスナック街での取り組みもあり、武雄温泉街が身近にある地元の方々は興味深く耳を傾けていました。最後に、参加者の方々からは「自分たちでは気付けなくなってしまったまちの魅力を劇という形で掘り起こし、まちの外に知ってもらえるような機会が今後も増えるとうれしい」「自分も参加したい」と力強い意見が交わされた会でした。
 

 
クリエイター・イン・レジデンス「MABOROSHI STAY」で活動した石神さんからのメッセージ
 
まちは人。武雄には昔から、アジアはもとよりヨーロッパやロシアからの旅人も逗留したようです。そんな土地柄のせいか、まちの人たちが私のような旅人にも胸を開いて付き合ってくれる感じがして、とても居心地がよかった。そしてどこか洗練されて粋な人が多いのも、歴史的に「文化のターミナル」だった武雄の個性ではないかと思います。
 
階段の踊場のようにしばし佇んで、自分の来し方行く末に目をこらす。そうかと思えば熱い湯に浸かってただただ無心になる。そんな時間を過ごすために、私はまた武雄を訪れると思います。